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第1土曜特集 抗体医薬の進歩と課題
有効性・安全性の予測・評価技術
抗体医薬品の体内動態総論
Pharmacokinetics of therapeutic antibodies
加藤 基浩
1
Motohiro KATO
1
1武蔵野大学薬学研究所,薬物動態塾
キーワード:
抗体医薬品
,
バイオ医薬品
,
薬物動態特性
,
半減期
Keyword:
抗体医薬品
,
バイオ医薬品
,
薬物動態特性
,
半減期
pp.908-912
発行日 2023年6月3日
Published Date 2023/6/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28510908
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現在,バイオ医薬品が多く上市されてきている.抗体そのものばかりでなく,抗体薬物複合体(ADC),融合タンパク質など抗体関連タンパク質が医薬品として開発されている.バイオ医薬品は細胞膜を通過しないことから静脈内投与および皮下投与で使用されている.バイオ医薬品の分布容積は小さく,分子量が15万の抗体は特に小さく,投与された薬物の約50%は血漿に存在している.抗体医薬品の半減期の平均値は15日と長く,胎児性Fc受容体(FcRn)の働きにより細胞内での分解から逃れている.これは抗体特有の現象であり,この機構を利用した改変抗体が開発されている.標的が膜結合タンパクの場合,細胞への取り込みがみられ非線形動態を示すが,この取り込みを利用したADCも開発されている.薬物動態機構を利用した抗体が開発されてきており,より効率的な抗体医薬品の開発が期待される.
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