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特集 神経系リハビリテーションの新潮流――機能回復治療に革新をもたらす最新の知見
Brain-Machine Interfaceによる脳の可塑性誘導と神経リハビリテーション
Upper limb functional recovery from post-stroke hemiplegia using Brain-Machine Interface
牛場 潤一
1
Junichi USHIBA
1
1慶應義塾大学理工学部生命情報学科
キーワード:
頭皮脳波
,
波形分類AI
,
神経筋電気刺激
,
電動装具
,
脳可塑性
Keyword:
頭皮脳波
,
波形分類AI
,
神経筋電気刺激
,
電動装具
,
脳可塑性
pp.737-739
発行日 2023年5月20日
Published Date 2023/5/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28508737
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ウェアラブル型の脳波計を使って頭皮脳波を分析し,その分析結果に基づいて機能的電気刺激や外骨格ロボットを駆動するBrain-Machine Interface(BMI)は,ニューロリハビリテーションとしての応用が期待されている.脳卒中片麻痺患者がBMIを装着した状態で麻痺側上肢の身体運動を企図した際,適切な運動関連脳活動が発生した場合に限りBMIが作動し,コンピュータ画面上の視覚的なバイオフィードバック,電動装具による運動介助,神経筋電気刺激による標的筋の収縮が与えられる.この繰返しにより,運動再学習あるいは脳の可塑性誘導が促され,麻痺側上肢の機能回復が進む.こうしたBMI機構は,治療抵抗性の高い慢性期重度運動障害において特に有効であることが,複数のランダム化比較試験とメタアナリシスによって明らかにされている.このことを受けて,日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会『脳卒中治療ガイドライン2021』では,「亜急性期以後の障害に対するリハビリテーション診療」の上肢機能障害の項にBMIの有効性に関する記述が初収載された.
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