Japanese
English
第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【新規治療法】
腫瘍融解ウイルス療法とがん免疫
Oncolytic immunovirotherapy
藤原 俊義
1
Toshiyoshi FUJIWARA
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域消化器外科学
キーワード:
ウイルス
,
免疫原性細胞死(ICD)
,
p53
,
GM-CSF
,
細胞外小胞(EV)
Keyword:
ウイルス
,
免疫原性細胞死(ICD)
,
p53
,
GM-CSF
,
細胞外小胞(EV)
pp.509-514
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105509
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
ウイルスは本来その生活環として,ヒトの細胞に感染・増殖し,その細胞をさまざまな機序により破壊する.最近の遺伝子工学の進歩により,この増殖能にがん選択性を付加することで,ウイルスをがん細胞のみを殺傷する治療用医薬品として用いることが可能となってきた.効率的な細胞死誘導を目指して,多種多様なウイルスの臨床応用が検討されてきているが,最近,免疫学的観点からもウイルス療法が注目されている.外来性に標的細胞にウイルスが感染することで,生体内ではさまざまな免疫反応が惹起される.ウイルス感染細胞からのインターフェロン(IFN)の分泌はよく知られているが,その他にも宿主の免疫を活性化する分子機構が明らかとなってきている.本稿ではウイルスそのものを用いた腫瘍融解免疫ウイルス療法(oncolytic immunovirotherapy)や適応が広がる免疫チェックポイント阻害薬との併用など,基礎的および臨床的に開発が進む治療戦略について概説する.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.