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第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
遺伝子治療技術を用いた疾患治療
パーキンソン病
Gene therapy for Parkinson’s disease
村松 慎一
1
Shin-ichi MURAMATSU
1
1自治医科大学オープンイノベーションセンター神経遺伝子治療部門,東京大学医科学研究所遺伝子・細胞治療センター
キーワード:
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
ドパミン
,
芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)
,
ウェアリングオフ
Keyword:
アデノ随伴ウイルス(AAV)
,
ドパミン
,
芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)
,
ウェアリングオフ
pp.420-424
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505420
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パーキンソン病の運動障害は被殻のドパミン欠乏により生じる.そこで,レボドパをドパミンに変換する芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)遺伝子を被殻で発現する遺伝子治療が考案された.AADC遺伝子を発現するアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを定位脳手術により被殻に投与する治験が実施されている.神経細胞に導入された遺伝子は生涯にわたり発現することが期待できる.またAADCに加え,レボドパの合成に必要なチロシン水酸化酵素とguanosine triphosphate cyclohydrolaseⅠ(GCH)の遺伝子も導入する遺伝子治療の治験が計画されている.この方法では被殻に持続的にドパミンを供給することになり,レボドパの間欠的な内服に伴う症状の変動を回避できる.
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