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特集 全身性強皮症――病態解明と診断・治療UPDATE
はじめに
Introduction
住田 隼一
1
Hayakazu SUMIDA
1
1東京大学医学部附属病院強皮症センター,同大学院医学系研究科皮膚科学
pp.239-239
発行日 2023年4月22日
Published Date 2023/4/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28504239
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- Abstract 文献概要
全身性強皮症(systemic sclerosis:SSc)は,皮膚のみならず内臓諸臓器の線維性変化を特徴とする慢性疾患であり,膠原病のなかで最も予後不良かつ病因不明の希少難病で,厚生労働省の指定難病にも認定されている.SScは免疫異常,線維化,血管障害を特徴としており,これらが複雑に関連することで多彩な臨床像を呈するため,多くの診療科領域にまたがる疾患であるが,その病態については未解明な点が多い.疾患特異的にみられる自己抗体も複数知られているが,それぞれに応じた合併症の頻度や臨床的特徴が大きく異なることから,本疾患は単一ではなく,さまざまな病態が存在することが想定されている.この疾患多様性が病態解明を難しくしている要因とも考えられるが,実臨床においては,個々の症状や合併症に応じた治療が組み合わされている.予後に影響を与える主要な合併症としては間質性肺疾患や肺高血圧症があるが,それぞれ重症度や進行度は患者ごとに大きく異なり,既存の治療法に抵抗性を示す症例も多く,十分な治療法が確立されているとはいえない.
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