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特集 頻尿に潜む病態を見破る
心因性頻尿(心因性頻尿-尿意切迫症候群)
Psychogenic frequency-urgency syndrome
橘田 岳也
1
Takeya KITTA
1
1旭川医科大学腎泌尿器外科学講座
キーワード:
心因性頻尿
,
心因性頻尿-尿意切迫症候群
,
心因性下部尿路機能障害
,
心身症
,
過活動膀胱
Keyword:
心因性頻尿
,
心因性頻尿-尿意切迫症候群
,
心因性下部尿路機能障害
,
心身症
,
過活動膀胱
pp.208-211
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28503208
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心因性頻尿は女性に多く,心的障害により頻尿や尿意切迫感を引き起こす病態である.本疾患のポイントは,①器質的疾患(下部尿路疾患および神経因性膀胱)の除外と,②精神心理学的検討(下部尿路症状と心的障害の関連)の2点である.症状の特徴として,睡眠中には通常,症状が認められず,昼間でも何かに集中しているときは尿意を感じないことが多い.診断には器質的病変,神経学的障害,尿路感染症など,他の頻尿の原因となる疾患を除外する必要がある.排尿日誌も診断に有用であり,早朝一番尿には十分な蓄尿量を認めるが,覚醒して行動しだすと1回排尿量が減少し,頻尿を認める.またウロダイナミクス検査では排尿筋過活動はなく,膀胱知覚の亢進のみが確認されることが多い.治療は心的障害の改善を優先させるため,泌尿器科単独では難しい場合もあり,心療内科や精神科の協力が必要となる場合もある.
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