Japanese
English
特集 頻尿に潜む病態を見破る
夜間頻尿の病態と治療
-――夜間多尿を中心とした解説
Etiology and treatment of nocturia
――Commentary focusing on nocturnal polyuria
鳥本 一匡
1
,
後藤 大輔
1
,
藤本 清秀
1
Kazumasa TORIMOTO
1
,
Daisuke GOTOH
1
,
Kiyohdie FUJIMOTO
1
1奈良県立医科大学泌尿器科
キーワード:
夜間頻尿
,
夜間多尿
,
高血圧
,
うっ血性心不全
,
デスモプレシン
Keyword:
夜間頻尿
,
夜間多尿
,
高血圧
,
うっ血性心不全
,
デスモプレシン
pp.198-202
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28503198
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
夜間頻尿の主な要因は,①膀胱蓄尿障害,②睡眠障害,③夜間多尿の3つであるが,併存する場合が多い.なかでも夜間多尿は最も頻度が高い要因であり,適切な治療を選択するには背景にある病態を正確に把握する必要がある.水利尿による夜間多尿は,心機能低下に伴って昼間に間質へ貯留した水分が夜間に排泄されるという病態であり,治療にはループ利尿薬を選択する.ナトリウム(Na)利尿による夜間多尿は,食塩感受性高血圧症に伴って昼間に体内貯留したNaを夜間に水分とともに排泄するという病態であり,治療にはサイアザイド系利尿薬を選択する.また,男性の夜間多尿に対してはデスモプレシン口腔内崩壊錠に保険が適用されており,低ナトリウム血症,その他の有害事象を管理できれば,この薬剤は効果が高く,患者の生活の質の向上に役立つ.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.