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特集 環境化学物質が人体へ与える影響
PM2.5・超微小粒子の健康影響
Health effects of PM2.5 and ultrafine particles
上田 佳代
1
Kayo UEDA
1
1北海道大学大学院医学研究院社会医学分野衛生学教室
キーワード:
大気汚染
,
疫学
,
酸化ストレス
,
炎症
,
PM2.5(微小粒子状物質)
,
超微小粒子(UFP)
Keyword:
大気汚染
,
疫学
,
酸化ストレス
,
炎症
,
PM2.5(微小粒子状物質)
,
超微小粒子(UFP)
pp.113-117
発行日 2023年4月8日
Published Date 2023/4/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28502113
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大気中粒子はさまざまな粒径サイズ,成分から構成され,粒子の大きさは吸入後の沈着部位やその後の体内動態,生体での反応と密接に関わる.粒子径2.5μm以下の微小粒子状物質(PM2.5)や,直径が0.1μm以下の非常に小さな粒子である超微小粒子(UFP)は粗大粒子よりも肺の奥深くに沈着し,直接全身の血流に移行するため,呼吸器・肺がんだけでなく,循環器疾患,認知機能,糖尿病などさまざまな臓器や,妊娠中女性への曝露による母体・胎児に対する影響が懸念されている.また,近年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時には,粒子とウイルスの相互作用が報告されている.現在の日本におけるPM2.5濃度はおおむね環境基準の濃度より低いレベルであるものの,世界保健機関(WHO)の推奨値より高い.比較的低い濃度レベルでの健康影響の有無についても検討する必要がある.
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