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特集 精神医学における臨床研究のすゝめ—わが国で行われたさまざまな精神医学臨床研究を参考にして
症例報告のポイント:希少疾患研究—ウィリアムズ症候群
Rare Disease Research:Williams Syndrome
木村 亮
1
Ryo Kimura
1
1京都大学大学院医学研究科形態形成機構学
1Department of Anatomy and Developmental Biology, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
希少疾患
,
rare disease
,
ウィリアムズ症候群
,
Williams syndrome
,
遺伝子発現解析
,
gene expression analysis
Keyword:
希少疾患
,
rare disease
,
ウィリアムズ症候群
,
Williams syndrome
,
遺伝子発現解析
,
gene expression analysis
pp.21-29
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206820
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抄録
近年,遺伝的な背景が明確な希少疾患の精神症状の研究を通じて,精神疾患の病態解明を目指す研究が行われつつある。ウィリアムズ症候群(Williams syndrome;OMIM#194050)は,2本ある7番染色体のうち,25〜27個の遺伝子を含む片側の一部分(7q11.23領域)が欠失することによって生じる疾患である。その発症頻度は約1万人に1人で,妖精様と称される特徴的な顔貌,心血管の異常,精神発達の遅れ,視覚認知障害などさまざまな症状がみられる。特に,カクテルパーティー様と言われる高い社交性は特徴的で,多弁・陽気で,見知らぬ人にでも気後れなく近づく傾向がみられる。その症状は,自閉スペクトラム症と真逆であることから,社会性の機序解明の観点から近年注目を集めている。本稿では,このウィリアムズ症候群について私たちが進めてきた研究を紹介したい。
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