Japanese
English
特集 肝線維化とバイオマーカー
新規肝線維化マーカーELF testの可能性
The potential of ELF test in nonalcoholic fatty liver disease
瀬古 裕也
1
Yuya SEKO
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学
キーワード:
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
,
肝線維化マーカー
,
非侵襲的評価方法(NIT)
,
Enhanced Liver Fibrosis(ELF)test
Keyword:
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
,
肝線維化マーカー
,
非侵襲的評価方法(NIT)
,
Enhanced Liver Fibrosis(ELF)test
pp.945-950
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28412945
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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)において,予後規定因子は肝線維化とされている.肝線維化の診断には肝生検が必須とされているが,その侵襲性やサンプリングエラーから予測式や画像での非侵襲的評価方法(NIT)の確立が期待されている.Enhanced Liver Fibrosis(ELF)testは3つの血清マーカーを組み合わせた予測式である.欧米のNAFLDのガイドラインではNITとして推奨されているが,日本ではまだ保険収載されていない.日本人NAFLD患者での検討により,ELF testは欧米と同じカットオフにより良好な肝線維化診断能を示した.また,FIB-4 indexやM2BPGi(WFA+-M2BP)と組み合わせることでさらに高い精度で肝線維化を評価することができる.各種線維化マーカーにおける立ち位置としては,専門施設において肝生検の要否を決定する場面での使用が想定される.今後,NAFLDの病態の縦断的な変化を反映することができるか,肝発癌や予後予測因子となりうるかどうかについての検討が求められる.
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