連載 検査値の読み方
プロテインC 活性低下による門脈血栓症を契機に敗血症,特発性細菌性腹膜炎,肝不全を呈したNASH の肝硬変例
三浦 英明
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)東京山手メディカルセンター内科
キーワード:
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
,
肝細胞癌(HCC)
,
門脈血栓症
,
敗血症
,
特発性細菌性腹膜炎(SBP)
,
プロテインC 欠損症
,
ダナパロイドナトリウム
,
アンチトロンビンⅢ
Keyword:
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
,
肝細胞癌(HCC)
,
門脈血栓症
,
敗血症
,
特発性細菌性腹膜炎(SBP)
,
プロテインC 欠損症
,
ダナパロイドナトリウム
,
アンチトロンビンⅢ
pp.1687-1694
発行日 2018年11月20日
Published Date 2018/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000597
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門脈血栓症は肝硬変症の経過中にしばしば遭遇する合併症の一つである.今回,門脈血栓の進展を契機に腹水が増悪し,敗血症,特発性細菌性腹膜炎(spontaneous bacterial peritonitis;SBP),肝不全が惹起されたものの,アンチトロンビンⅢ(antithrombin‒Ⅲ;AT‒Ⅲ)製剤とダナパロイドナトリウムによる抗凝固療法が奏効した非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholicsteatohepatitis;NASH)の肝硬変例を経験した.当初は肝硬変が原因で門脈血栓が惹起されたものと考えていたが,門脈血栓が短い間に再発性であったことから,さらに血栓性素因を検索したところ,肝硬変症に加えてプロテインC(protein C;PC)活性の低下が背景にあったことが判明した.貴重な症例と思われたのでここに報告する.
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