Japanese
English
特集 生体内リプログラミングによる個体生命機能の制御
Plagl2発現誘導およびDyrk1a発現抑制による老化神経幹細胞の機能的な若返り
Functional rejuvenation of aged neural stem cells by Plagl2 and anti-Dyrk1a activity
貝瀬 峻
1
,
影山 龍一郎
1
Takashi KAISE
1
,
Ryoichiro KAGEYAMA
1
1理化学研究所脳神経科学研究センター神経幹細胞研究チーム
キーワード:
神経新生
,
神経幹細胞
,
老化
,
Plagl2(pleiomorphic adenoma gene-like 2)
,
Dyrk1a(dual-specificity tyrosine-phosphorylation-regulated kinase 1A)
Keyword:
神経新生
,
神経幹細胞
,
老化
,
Plagl2(pleiomorphic adenoma gene-like 2)
,
Dyrk1a(dual-specificity tyrosine-phosphorylation-regulated kinase 1A)
pp.875-878
発行日 2023年3月18日
Published Date 2023/3/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28411875
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神経幹細胞の老化研究は,single-cell RNA-seq技術の発達や,ヒト脳試料の入手・保管方法の改善を受けて近年活発になってきている.しかし,成体の神経幹細胞は脳領域の深部に局在することや,老化に伴って数が減少するなどの理由から,遺伝子操作に基づく神経幹細胞の再生研究は進んでいない.マウスにおいてp16のノックアウト1)やAscl1の強制発現2)をした報告はあるが,老化した神経幹細胞を十分に活性化することはできていない.また,大規模なスクリーニングによって老化神経幹細胞を活性化させる遺伝子を探索するといった試みもなされていない.本研究では神経幹細胞の活性化因子iPaD(inducing Plagl2 and anti-Dyrk1a)を新たに見出した.iPaDは神経幹細胞を12週間にわたり活性化させ,さらに老齢マウスの記憶学習能を改善させることが明らかになった.またRNA,ChIP(chromatin immunoprecipitation),ATAC(assay for transposase-accessible chromatin)-seqから,iPaDはクロマチン構造を変化させる機能があること,そして老化神経幹細胞を若返らせていることが示唆された3).
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