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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV/AIDSと市民社会
エイズと報道
-――危機の時代の伴走者として
A writer in the crisis
――AIDS and journalism
宮田 一雄
1
Kazuo MIYATA
1
1元産経新聞論説委員
キーワード:
国連合同エイズ計画(UNAIDS)
,
グローバルファンド
,
キーポピュレーション
,
社会
Keyword:
国連合同エイズ計画(UNAIDS)
,
グローバルファンド
,
キーポピュレーション
,
社会
pp.761-767
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409761
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米国で後天性免疫不全症候群(AIDS)の最初の症例が報告されたのは1981年6月であった.その5年半後の1987年1月,日本国内がエイズパニックとよばれる混乱に陥ったことがある.筆者のエイズ取材は当時,産経新聞社会部の厚生省(現・厚生労働省)担当記者だったことからはじまった.わからないことばかりのなかで情報を集め,記事を書く日々は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の取材にあたる最近の厚生労働省担当記者と似ているのかもしれない.ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染しているとか,感染の高いリスクに直面しているとか,治療や研究,対策の担当者であるといった意味での当事者ではなく,そうかといって傍観者でもない.エイズの流行という世界史的現象を伝える立場は,あえて表現すれば “伴走者” ではないか.最近はそんなことも感じる.報道の全体像をとらえ客観的に評価・分析することはできないが,20世紀終盤から続く危機のなかで,伴走者として見たり,聞いたり,考えたりしたことをささやかながら報告したい.
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