Japanese
English
特集 医師が知っておくべき薬物相互作用の最近の話題
Pharmacokinetic booster
Pharmacokinetic booster
前田 和哉
1
Kazuya MAEDA
1
1北里大学薬学部薬剤学教室
キーワード:
リトナビル
,
コビシスタット
,
HIVプロテアーゼ阻害薬
,
CYP3A
,
P-糖タンパク質(P-gp)
Keyword:
リトナビル
,
コビシスタット
,
HIVプロテアーゼ阻害薬
,
CYP3A
,
P-糖タンパク質(P-gp)
pp.520-525
発行日 2023年2月18日
Published Date 2023/2/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28407520
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Pharmacokinetic boosterは,被相互作用薬の薬物動態を制御する代謝酵素やトランスポーターに意図的に干渉することで,被相互作用薬の血中安定性や消化管吸収性の向上に寄与する薬物のことである.最も汎用的なpharmacokinetic boostingの事例として,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)プロテアーゼ阻害薬やC型肝炎治療薬の代謝・排出に関与するCYP(cytochrome P-450)3A,P-糖タンパク質(P-gp)の機能を抑制するリトナビルやコビシスタットとの併用による被相互作用薬の血中曝露の劇的な改善があげられ,多くの場合,合剤として処方されている.最近では,リトナビルとの併用による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)治療薬ニルマトレルビルの血中安定性の改善にも寄与している.しかしCYP3A,P-gpの基質薬物は多く,リトナビルやコビシスタットの阻害強度は強いことから,薬物間相互作用には注意が必要となる.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.