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特集 医師が知っておくべき薬物相互作用の最近の話題
薬物トランスポーター介在性薬物相互作用評価のためのバイオマーカーと定量的予測方法
Biomarkers and quantitative prediction methods for evaluating drug transporter-mediated drug interactions
楠原 洋之
1
Hiroyuki KUSUHARA
1
1東京大学大学院薬学系研究科分子薬物動態学教室
キーワード:
薬物トランスポーター
,
肝排泄
,
消化管吸収
,
内在性バイオマーカー
,
クリプト由来分化細胞
,
Cluster Gauss Newton法
Keyword:
薬物トランスポーター
,
肝排泄
,
消化管吸収
,
内在性バイオマーカー
,
クリプト由来分化細胞
,
Cluster Gauss Newton法
pp.513-519
発行日 2023年2月18日
Published Date 2023/2/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28407513
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薬物相互作用では薬物が薬物トランスポーターの輸送活性を変動させ,基質薬物(被相互作用薬)の体内動態の変動を通じて有害事象の発現リスクを高める.近年,薬物トランスポーターの機能変動を検出するために,内因性バイオマーカーの整備が進められてきた.臨床開発段階での使用も進んでいる.内因性バイオマーカーと相互作用薬の体内動態とを生理学的薬物速度論(PBPK)モデルを用いて解析することで,薬物相互作用の用量依存性や投与間隔依存性など,より精緻に薬物相互作用予測を実現するためのパラメータを推定することが可能となる.さらに,肝細胞由来の細胞外小胞には肝代謝酵素や薬物トランスポータータンパク質も検出され,被験薬による発現誘導に関する知見も得ることが可能になった.このような定量性の高いバイオマーカーを活用することで,健康成人に加えて特殊集団における薬物相互作用リスクも推定可能と期待されている.
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