Japanese
English
特集 遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)の必修知識――最新の研究成果を礎に,HBOC診療を次のステージへ
HBOC診療の今後の診療体制を再考する
-――慶應HBOCセンターの取り組みを通して
Reconsidering the future hereditary breast and ovarian cancer(HBOC)management system
――Activities of the Keio HBOC centre
小林 佑介
1
Yusuke KOBAYASHI
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
キーワード:
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)
,
診療体制
Keyword:
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)
,
診療体制
pp.465-468
発行日 2023年2月11日
Published Date 2023/2/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28406465
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
わが国の遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診療はpoly ADP-ribose polymerase(PARP)阻害薬の適応拡大,コンパニオン診断の普及による診断機会の増加や,HBOC診療の一部保険収載により大きく変化してきており,1診療科だけにとどまらず病院全体で対応する必要が生じてきている.当院では2021年4月にHBOCセンターを設立し,産婦人科(婦人科,生殖班),一般・消化器外科(乳腺班,膵臓班),泌尿器科,臨床遺伝学センター,腫瘍センター,皮膚科,精神・神経科による診療9部門で運営している.毎月開催されるHBOCセンターカンファレンスでは症例検討にとどまらず,サーベイランスの適応基準と実施項目の確立,院内での受診フローの可視化,データベース構築,国民啓発のための市民公開講座などについても検討,開催してきた.今後のHBOC診療体制は,従来求められていたリスク低減手術実施のための算定要件,施設基準を満たすものだけでなく,患者と家系員からのニーズに基づいた包括的かつ多角化した診療体制が求められている.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.