Japanese
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TOPICS 遺伝・ゲノム学
VEGFシグナルを介したダイナミックな内皮エピゲノム修飾と抗血管新生手法の確立
Bivalent-histone marked acute transcription factors are vital for VEGF-responsive angiogenesis
南 敬
1
Takashi MINAMI
1
1熊本大学生命資源研究・支援センター分子血管制御分野
pp.296-298
発行日 2023年1月28日
Published Date 2023/1/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28404296
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エピゲノム制御とはゲノム配列依存的な要因を超えた遺伝や細胞分化という古典的な概念だけでなく,最近では,すべての細胞活動の源となる遺伝情報をいつ・どのように・どのくらい読み取るか(転写発現するか)を調節することとして理解されている.さらに本エピゲノム解析は次世代シーケンサーの活用により一般化され,これまで多くのがん細胞や未分化ES/iPS細胞をもとに,DNAやヒストンメチル化修飾の動的な変化を伴う病態や分化応答が包括的に解明されてきた.一方,正常内皮細胞を用いたシステム解析は世界的にやや遅れており,筆者らは10年前よりヒト臍帯静脈内皮細胞(Human umbilical vein endothelial cells:HUVEC)を用いたゲノムワイド解析を当時では先んじて行ってきた.本稿では血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)シグナルを介した生後血管新生に関与するエピゲノム制御と分化内皮ではじめて同定したbivalent switch1)について概説する.
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