高血圧・脂質異常症の生活習慣改善

Lifestyle modification for hypertension and dyslipidemia

　『高血圧治療ガイドライン2019』（JSH2019）では，生活習慣の修正は高血圧予防や降圧に重要とされており，修正項目として①減塩，②野菜・果物の積極的摂取，③飽和脂肪酸・コレステロールを控え，多価不飽和脂肪酸の積極的摂取，④適正体重の維持，⑤運動療法，⑥節酒，⑦禁煙，の7項目があげられており，欧米の高血圧治療ガイドラインの項目と非常に似ている．また，『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』では，動脈硬化性疾患予防のための生活習慣の改善項目として，『高血圧治療ガイドライン2019』の項目のほかに①大豆製品を多く摂る，②食物繊維を多く摂る，③清涼飲料水，揚げ物を控える，の3項目があげられている．これらの合計10項目は「がんを防ぐための新12か条」の項目とも類似している．国立循環器病研究センター健診部ではこれらの10項目を「生涯健康支援10」と名づけ，心不全重症化予防事業のなかで新しい保健指導のツールとして利用している．「生涯健康支援10」を用いることにより，高血圧をはじめ循環器全般，がんなどの幅広い生活習慣病の予防を目指すことが可能となる．