Japanese
English
特集 —身体疾患の患者・家族のこころを支える—コンサルテーション・リエゾン精神医学
脳血管障害と精神医学—脳卒中後うつ病を中心に
Post-stroke psychiatric disorders : Post stroke depression
岸 泰宏
1
Kishi Yasuhiro
1
1日本医科大学武蔵小杉病院精神科
1Department of Psychiatry, Nippon Medical School Musashikosugi Hospital, Kanagawa, Japan
キーワード:
脳卒中
,
stroke
,
うつ病
,
depression
,
診断
,
diagnosis
,
治療
,
treatment
,
予防
,
prevention
Keyword:
脳卒中
,
stroke
,
うつ病
,
depression
,
診断
,
diagnosis
,
治療
,
treatment
,
予防
,
prevention
pp.1144-1149
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207372
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抄録
脳血管障害,特に脳卒中後にはさまざまな精神・行動の障害が認められる。なかでも頻度が高いものとしては,脳卒中後せん妄,脳卒中後うつ病(post stroke depression:PSD)が挙げられる。両者ともに,さまざまな臨床アウトカムを悪化させる代表的な精神行動の障害である。PSDの診断においては,うつ病の症状(倦怠感や食欲不振など)が脳卒中による可能性があっても,うつ病診断に利用する方法(inclusive approach)が勧められている。治療においては,SSRIならびに認知行動療法などの精神療法の有効性が多く報告されているが,高いエビデンスがあるとは言えず,今後の検討が必要である。PSDの予防研究も行われており,SSRI使用や非薬物療法的アプローチの有効性が報告されているものの,これも今後の検討が必要な分野である。
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