Japanese
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特集 オートファジー
自己貪食空胞性ミオパチー
Autophagic vacuolar myopathy
田中 幹人
1
,
西野 一三
1
Mikihito Tanaka
1
,
Ichizo Nishino
1
1国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第一部
pp.556-561
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100801
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オートファジー(自己貪食)は細胞内廃物の消化に重要な役割を果たしていることが知られているが,骨格筋においては,通常の形態学的観察でリソソームや自己貪食空胞(autophagic vacuole)が認められることは殆どない。しかし,自己貪食空胞が多数出現する一群の筋疾患が確かに存在することから,筋細胞にとってもオートファジーは必須の機構であることが伺える。われわれは,このような筋疾患群のうち,特に遺伝性のものを「自己貪食空胞性ミオパチー」と名付けて,その病態を解明しようと試みている。
自己貪食空胞性ミオパチーは,筋病理学的特徴から次の三つのカテゴリーに分類される:1)縁取り空胞性ミオパチー(rimmed vacuolar myopathy),2)酸性マルターゼ欠損症(acid maltase deficiency),3)特異的な空胞膜を持つ自己貪食空胞性ミオパチー(autophagic vacuolar myopathies with unique vacuolar membranes)。本稿では,それぞれのサブタイプに分けて記載を行う。
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