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第1土曜特集 遺伝性神経・筋疾患――診療と研究の最前線
ミオパチー,筋ジストロフィーの病態・診断・治療法開発
中心核ミオパチーとミオチューブラーミオパチーの発症機序
-――T管形成における膜ダイナミクス制御異常からの視点
Pathomechanisms of centronuclear and myotubular myopathies
――Perspectives from dysregulated membrane dynamics in T-tubule biogenesis
竹田 哲也
1
Tetsuya TAKEDA
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域生化学分野
キーワード:
中心核ミオパチー(CNM)
,
ミオチューブラーミオパチー(MTM)
,
T管
,
膜ダイナミクス
Keyword:
中心核ミオパチー(CNM)
,
ミオチューブラーミオパチー(MTM)
,
T管
,
膜ダイナミクス
pp.1000-1005
発行日 2022年12月3日
Published Date 2022/12/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu283101000
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中心核ミオパチー(CNM)とミオチューブラーミオパチー(MTM)は,筋力や筋緊張の低下などの臨床症状と,骨格筋線維の中心核という筋病理所見によって特徴づけられる先天性ミオパチーである.CNMおよびMTMの患者では,骨格筋の興奮-収縮連関をつかさどるT管の形成異常がみられる.T管の形成には,膜ダイナミクスを制御する多様なタンパク質が必要であり,それらの機能異常がミオパチーの発症に関連すると考えられている.CNMの原因遺伝子であるDNM2とBIN1,MTMの原因遺伝子であるMTM1はいずれも膜ダイナミクスの制御に関わり,T管形成に必須の機能を持つ.本稿では,DNM2,BIN1,MTM1のT管形成における機能と,その異常に起因するCNMおよびMTMの発症機序について概観し,膜ダイナミクス制御分子を標的としたミオパチー治療戦略について紹介する.
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