Japanese
English
特集 X染色体不活化と疾患――新たな展開
はじめに
Introduction
小林 慎
1
Shin KOBAYASHI
1
1国立研究開発法人産業技術総合研究所細胞分子工学研究部門
pp.839-839
発行日 2022年11月26日
Published Date 2022/11/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28309839
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- Abstract 文献概要
哺乳類のエピジェネティクスの代表例として知られる “X染色体不活性化” をイギリスの女性研究者Merry Lion博士,およびアメリカの日系研究者大野乾博士が発見して約60年がたつ.雌は雄の2倍のX染色体不活性化を持つため,そもそも雌雄間で遺伝子の量が異なる.通常,染色体の本数は厳密に制御されており,異数性を示す個体の多くは流産すると考えられている.なぜ,雌雄間で染色体の本数が異なる状況が許されるのか.実は,雌は片方のX染色体上の遺伝子発現を抑制することで,雄と雌の間で実際に働くX染色体の本数が揃う仕組みがあり,これを “X染色体不活性化” とよぶ.
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