今月の主題 C反応性蛋白
話題
地域一般住民を対象とした高感度CRP疫学調査―Jichi Medical School(JMS)コホート研究
山田 誠史
1
,
伊藤 喜久
2
,
梶井 英治
3
Seishi YAMADA
1
,
Yoshihisa ITOH
2
,
Eiji KAJII
3
1和良村国民健康保険病院
2旭川医科大学臨床検査医学
3自治医科大学医学部地域医療学
キーワード:
高感度CRP
,
動脈硬化
,
横断研究
Keyword:
高感度CRP
,
動脈硬化
,
横断研究
pp.989-993
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905180
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1.はじめに
近年,動脈硬化の成立と進展に炎症の役割がクローズアップされている.こうしたなかで,代表的な全身的炎症マーカーであるC-reactive pro-tein(CRP)が脚光をあび,不安定狭心症の予後との関連,基礎疾患をもたない集団での心血管疾患発症あるいは死亡の予測因子であるとする報告が,数多くみられるようになってきている.これらの評価は,日常臨床で利用されている基準範囲の下限値以下の測定レンジの,いわゆる高感度CRP測定法により行われる.
この高感度測定法による研究報告は,これまで中年男性によるものがほとんどを占め,女性や高齢者を含んだ集団を対象としたものはわずかに散見されるのみである.そこで,われわれは日本人におけるCRPと動脈硬化危険因子との関連について,日本全国にわたり約6,000人の地域住民を対象に,大規模コホート研究を行った1)ので,以下に詳細を示す.
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