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特集 アディクション—コロナ禍で変わったこと,変わらないこと
【行動嗜癖】
ゲーム行動症(ゲーム障害)・ネット使用症(ネット障害)—ICDとDSMにおける位置づけの違いとCOVID-19の影響
Gaming Disorder and Internet Use Disorder
宮田 久嗣
1,2
Hisatsugu Miyata
1,2
1東京慈恵会医科大学精神医学講座
2医療法人社団光生会平川病院
1Department of Psychiatry, Jikei University School of Medicine
2Medical corporation Koseikai, Hirakawa Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
ゲーム行動症
,
gaming disorder
,
ネット使用症
,
internet use disorder
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
国際疾病分類第11版
,
ICD-11
,
精神疾患の診断・統計マニュアル第5版新訂版
,
DSM-5-TR
Keyword:
ゲーム行動症
,
gaming disorder
,
ネット使用症
,
internet use disorder
,
新型コロナウイルス感染症
,
COVID-19
,
国際疾病分類第11版
,
ICD-11
,
精神疾患の診断・統計マニュアル第5版新訂版
,
DSM-5-TR
pp.945-950
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207335
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抄録
ゲーム行動症は,ICD-11では正式に疾病として認められたが,DSM-5-TRではインターネットゲーム行動症として「今後の研究のための病態」に位置付けられていて,正式な病名としては採用されていない。一方,ネットのみでは,いずれの診断基準でも独立した疾病として認められていない。ネットとゲームは密接な関係にあり,オンラインゲーム(ネットにつながったゲーム)の嗜癖性が高いとされる。このようなネットゲーム使用は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるロックダウンや緊急事態宣言などの行動制限下で増えたとされる。そこには,社会活動を制限され,自宅での生活を余儀なくされたことによる孤独感,心細さ,不安をネットやゲームで解消しようとする行動や,リモートワークなどの需要でネットワーク環境が整備されたことが関係している。本稿では,COVID-19下でのゲーム行動症やネット使用症の特性やリスクファクター,および,そこから得た教訓などを考えたい。
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