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第1土曜特集 MASLD/MASH――研究と診療の最新情報
病態
MASLDにおける細胞死のメカニズム
Mechanisms of cell death in metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease
田中 稔
1
Minoru TANAKA
1
1国立国際医療研究センター研究所 細胞組織再生医学研究部 細胞療法開発研究室
キーワード:
Regulated cell death(RCD)
,
アポトーシス
,
ネクロプトーシス
,
フェロトーシス
,
パイロトーシス
Keyword:
Regulated cell death(RCD)
,
アポトーシス
,
ネクロプトーシス
,
フェロトーシス
,
パイロトーシス
pp.357-362
発行日 2024年5月4日
Published Date 2024/5/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28905357
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脂肪肝から脂肪性肝炎へ進行すると,肝臓内への免疫細胞の浸潤や線維化をきたすようになる.肝炎の主要な病態は,肝細胞死と免疫細胞による炎症反応となるため,細胞死はしばしば肝疾患の病型や病期の分類において診断基準として用いられてきた.病理所見では,小葉中心性壊死,巣状壊死,架橋性肝壊死などの言葉が用いられるが,ここでいう “壊死” は単に死んだ細胞を意味し,厳密にネクローシスと判別されたものではない.一方で近年,われわれの体には制御された多様な細胞死の様式が備わっていることが明らかとなってきており,さまざまな疾患におけるそれらの役割や意義に注目が集まっている.ここではmetabolic dysfunction-associated steatotic liver disease(MASLD)/metabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)に関して,これまでに明らかになってきた細胞死研究の概要について紹介する.
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