Japanese
English
TOPICS 血管生物学
新生血管成熟化分子Ninjurin1の役割
-――微小血管を標的とした新しい動脈硬化治療の可能性
Role of the neovascular maturation molecule Ninjurin1
――A potential therapeutic approach targeting microvessels for atherosclerosis
川辺 淳一
1
,
堀内 至
2
Jun-ichi KAWABE
1
,
Kiwamu HORIUCHI
2
1旭川医科大学生化学講座
2同心血管再生先端医療開発講座
pp.215-216
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28303215
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虚血性心疾患,脳卒中などの血管疾患は,悪性腫瘍とともに国民の健康を脅かす主な原因疾患であり,高齢化社会を背景に増加の一途をたどり,その克服が課題となっている.これらの血管病の基盤病態である動脈硬化症の進展機序として,古くから「内膜障害説」が提唱されてきた.高血圧症や脂質異常症などの基礎疾患を背景に血管内膜が障害され,炎症細胞の浸潤や脂質沈着が起こり動脈硬化性プラークを形成するものである.この病態理解に基づきさまざまな治療法も開発され,一定の成果をあげてきた.しかし,依然,動脈硬化性疾患は克服されておらず,動脈硬化病態も複雑化し,“内膜障害説” に基づく治療戦略の限界が示されている.
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