特集 現代の食生活
消費市場の成熟化と分化
三島 徳三
1
Tokuzo MISHIMA
1
1北海道大学農学部農業経済学科
pp.450-452
発行日 1988年7月15日
Published Date 1988/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207722
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■量から質の時代に
いうまでもないが,商品の受け皿としての消費市場は時代とともに移り変わる.昭和20年代,この時代はモノも不足していたし,国民も貧しかった.したがって,買いたくても"買えない時代"であったのである.
経済白書が「もはや戦後ではない」と高らかに宣言した昭和30年を起点にわが国の経済は高度成長に突入し,消費市場もようやく"買える時代"を迎えることになった.昭和30年代の後半には一般の家庭にもテレビや冷蔵庫,洗濯機が普及し,庶民は歴史上初めて欧米的な文化生活を享受することができるようになった.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.