Japanese
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特集 生体内リプログラミングによる個体生命機能の制御
生体内リプログラミングによる膵島細胞の増殖誘導
In vivo reprogramming leads to expansion of pancreatic insulin-producing cells
鶴町 真也
1
,
平野 利忠
1
,
山田 泰広
1,2
Masaya TSURUMACHI
1
,
Michitada HIRANO
1
,
Yasuhiro YAMADA
1,2
1東京大学医科学研究所システム疾患モデル研究センター先進病態モデル研究分野
2同大学院医学系研究科病因・病理学専攻分子病理学分野
キーワード:
生体内リプログラミング
,
β細胞
,
再生治療
Keyword:
生体内リプログラミング
,
β細胞
,
再生治療
pp.885-889
発行日 2023年3月18日
Published Date 2023/3/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28411885
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世界の糖尿病患者数は生活習慣や社会環境の変化により急速に増え続けている.成熟膵島細胞の増殖能力は限定的であり,膵島再生の障壁となっている.糖尿病を根幹から治療する方法として膵島移植や膵臓移植が実施されているが,ドナー不足から一般的な治療法とはなっていない.したがって,膵島移植の普及を目指したβ細胞の増幅技術の開発が期待されている.現在,自己複製能を有する多能性幹細胞の分化誘導によってインスリン産生細胞を作製する試みが精力的に行われているが,多能性幹細胞由来のインスリン産生細胞は機能性が低いことが問題となっており,治療法の確立には至っていない.一方で,生体内でのダイレクトリプログラミングにより,非β細胞をインスリン産生細胞へと運命転換させる試みも行われている.最近,筆者らはMYCL遺伝子が誘発する生体内リプログラミングにより機能的成熟膵島細胞が増幅できることを明らかにした.本稿では,生体内リプログラミング技術によるβ細胞を対象とした再生医療の開発について概説する.
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