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第5土曜特集 小児医療の最先端
基礎・基盤編
小児医療・保健の充実に向けて重要となる “実装研究”
-――科学的根拠と実践のギャップを埋める新たな研究方法の紹介
Essence of implementation research in pediatrics and child health
――An introduction of research methods to address the evidence-practice gap
竹原 健二
1
,
青木 藍
1
Kenji TAKEHARA
1
,
Ai AOKI
1
1国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部
キーワード:
実装研究
,
実装戦略
,
実装科学
,
evidence-based intervention(EBI)
Keyword:
実装研究
,
実装戦略
,
実装科学
,
evidence-based intervention(EBI)
pp.365-370
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205365
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実装研究とは,エビデンスと実践との乖離を縮小し,健康格差を是正すること目指した新しい研究手法である.臨床研究の発展に伴い,1990年代以降,evidence-based medicine(EBM)の概念は大きく広まった.しかし,依然として臨床研究によるエビデンスを臨床や保健医療政策上の実践にいかすにはさまざまな障壁があり,長い時間を要することが知られている.実装研究では,エビデンスのある介入を社会に広く普及(社会実装)していくために,介入の提供方法や提供者への支援策(実装戦略)の検討・評価を行う.日本では2018年に “保健医療福祉における普及と実装科学研究会(通称:D & I科学研究会,RADISH)” が設立され,徐々に関心が高まっている.今後,小児医療・保健の領域でもより注目を集める可能性が高い実装研究について,周産期・小児医療の領域で実施された先駆的な実装研究の事例や,筆者らが実施している日本における予防のための子どもの死亡検証(CDR)や,アンゴラ共和国における母子健康手帳などの介入への実装研究の導入事例を紹介する.
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