特集 総合診療外来に“実装”したい最新エビデンス—My Best 3
【総論】
エビデンスを実地診療に実装するには—実装科学(Implementation Science)入門
梶 有貴
1,2
1国際医療福祉大学成田病院 総合診療科
2国立がん研究センターがん対策研究所行動科学研究部 実装科学研究室
キーワード:
実装科学
,
エビデンス・プラクティスギャップ
,
理論・モデル・フレームワーク
,
実装戦略
,
実装アウトカム
Keyword:
実装科学
,
エビデンス・プラクティスギャップ
,
理論・モデル・フレームワーク
,
実装戦略
,
実装アウトカム
pp.686-690
発行日 2022年6月15日
Published Date 2022/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203755
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EBMの“次の一手”「実装科学」
1990年代に「エビデンスに基づく医療(evidence-based medicine:EBM)」の概念が導入され、さまざまな臨床研究が実施され、そこで得られた多くの知見が臨床現場で応用されるようになりました。本稿を手に取っていただいている皆さんも、日常業務のなかで当然のごとく、エビデンスを駆使して診療されていることと思います。しかし、それほどにエビデンスが当たり前のように浸透してきた現在であっても、エビデンスレベルや推奨レベルが高いプラクティスがあるにもかかわらず実際の現場では十分に活用されていない、あるいはエビデンスがないプラクティスであるにもかかわらず実際の現場でよく実施されている、という状況も見受けられ、もどかしい思いをした経験があるかもしれません。これをエビデンスと診療現場の間に大きな隔たり(ギャップ)が存在するという意味で、「エビデンス・プラクティスギャップ(evidence-practice gap)」と呼びます。
なぜこのようなギャップが生まれてしまうのでしょうか?
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