Japanese
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特集 めまい――治療と研究の最前線
ウェアラブルデバイスを用いた平衡訓練の開発
Development of new vestibular rehabilitations using a wearable device for patients with refractory dizziness
佐藤 豪
1
Go SATO
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部耳鼻咽喉科学分野
キーワード:
感覚代行(sensory substitution)
,
感覚再重み付け(sensory reweighting)
,
ウェアラブルデバイス
Keyword:
感覚代行(sensory substitution)
,
感覚再重み付け(sensory reweighting)
,
ウェアラブルデバイス
pp.215-218
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203215
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一側性前庭障害患者に平衡訓練が有効であるが,平衡訓練を行っても平衡障害が改善しない患者は少なくない.さらに両側性前庭障害患者は,両側の前庭からの入力が消失するために前庭代償が進行せず,一側性前庭障害患者と比較して平衡障害が遷延し,難治性である.近年,前庭障害患者の低下した前庭情報を視覚情報や体性感覚情報などの他の感覚情報で感覚代行(sensory substitution)する平衡訓練が開発されている.筆者らは,頭部の傾きの前庭情報を振動刺激として下顎に伝えて前庭情報を感覚代行するウェアラブルデバイス(TPAD)を開発した.難治性一側性前庭障害および両側性前庭障害患者に対して,TPADによる感覚代行を誘導する平衡訓練を3カ月間行ったところ,めまいの自覚症状が改善し,さらに歩行パラメータも改善した.TPADによる感覚代行を誘導する平衡訓練が,難治性一側性前庭障害や両側性前庭障害に対して臨床応用できる可能性がある.
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