Japanese
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TOPICS アレルギー学
FADSマウス:アトピー性皮膚炎およびアトピー性角結膜炎の新たなマウスモデル
The FADS mouse:a novel mouse model of atopic dermatitis and atopic keratoconjunctivitis
布村 聡
1
Satoshi NUNOMURA
1
1佐賀大学医学部分子生命科学講座分子医化学分野
pp.223-224
発行日 2022年7月16日
Published Date 2022/7/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28203223
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従来のアトピー性皮膚炎マウスモデル
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は,皮膚のバリア機能障害,免疫異常,搔痒を特徴とする慢性の炎症性皮膚疾患である.ADの病態には,組織構成細胞と免疫細胞の複雑な相互作用を介してTh2型を中心にTh1型,Th17型,Th22型などの免疫応答が関与する1).さらに,病変部において,IL-10/20ファミリーやNF-κBに関連するサイトカインの遺伝子発現が増大していることが近年明らかにされた2).ADの多様な炎症応答に即した治療法の開発と最適化には,優れたマウスモデルの開発が不可欠である.現在までに,20種類以上のADのマウスモデルが報告されている3).しかし,最近のトランスクリプトーム研究により,ADモデルはヒトADとわずか4~37%の相同性しかないことが示されている4).さらに安定的に痒み・搔破行動を示すADモデルはほとんどなく,開発が望まれていた.
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