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特集 A型・E型肝炎の最新動向
【A型肝炎】
A型肝炎の予防と治療
Treatment and prevention of hepatitis A virus infection
佐々木 玲奈
1
,
神田 達郎
1
Reina SASAKI
1
,
Tatsuo KANDA
1
1日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野
キーワード:
A型肝炎ウイルス(HAV)
,
重症化
,
ワクチン
Keyword:
A型肝炎ウイルス(HAV)
,
重症化
,
ワクチン
pp.124-128
発行日 2022年7月9日
Published Date 2022/7/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28202124
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A型肝炎はA型肝炎ウイルス(HAV)感染により惹起される急性ウイルス性肝炎である.通常は慢性化しない.国内の主な感染源はカキなどの海産物摂取による経口感染とされてきたが,近年,男性間性交渉者(MSM)間での性行為感染も増加している.わが国では衛生環境改善により中和抗体保有率が低下しており,HAVによる集団感染発生の危険性がある.2018年にはA型肝炎の流行があり,報告数は925例に達した.A型肝炎は重症化せずに軽快する症例がほとんどであり,小児などでは無症候性感染で終わることも多いとされる.しかし,約3.3%の患者では重症化がみられ,肝臓移植治療などが必要となることもあるため,その予防や治療は重要である.海外からは,既存のワクチンが効かないHAV(ワクチンエスケープ変異)出現の可能性も報告されている.本稿では,A型肝炎の予防と治療法について概説する.
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