今月の主題 ウイルス肝炎のトピックス
ウイルス肝炎の予防
A型肝炎の予防
荒川 泰行
1
,
勝原 徳道
2
Yasuyuki ARAKAWA
1
,
Norimichi KATSUHARA
2
1日本大学医学部・第3内科
2日本大学医学部・内科
pp.1540-1541
発行日 1981年9月10日
Published Date 1981/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217319
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A型肝炎(HA)は,衛生環境のよくない地域での発症率が高く,①個人衛生がうまく守れない精薄施設,保育所,年少者の寮などの特殊な環境下,②汚染された飲食物を介して,また③海外の高頻度地域への居住者,などで小流行性にあるいは散発性に発症を認めることが多い.とくにわが国の最近の散発性A型肝炎の約半数は③によるいわゆる輸入肝炎によって占められている.
HAは糞便経口感染で伝播するため,その予防対策は,上・下水道などの社会的衛生環境を整備することはもちろんであるが,他の腸管系感染症と同じように,汚染地域においては,①生水を飲まず,②魚貝類などの生物を食べず,かつ③手洗いの励行,などの個人的衛生を徹底することが重要でありかつ有効である.
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