特集 いま求められる肝炎の知識
ウイルス肝炎―その病態と診断
A型肝炎
四柳 宏
1
1聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科
キーワード:
急性肝炎
,
経口感染
,
インターフェロン
,
IgM-HA抗体
,
TTT
Keyword:
急性肝炎
,
経口感染
,
インターフェロン
,
IgM-HA抗体
,
TTT
pp.674-675
発行日 2003年8月1日
Published Date 2003/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100669
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Case
食欲不振と発熱で発症したA型肝炎の1例
患 者:42歳,男性.
既往歴:とくになし.
家族歴:とくになし.
現病歴:約5日前に食欲不振,38℃台の発熱が出現し,近医を受診.感冒を疑われて解熱剤の頓服を処方された.2日経っても症状に改善がなく,尿の濃染も出現したため,近医を再受診.血液検査を施行したところ,総ビリルビン8.5 mg/dl,AST 2,031 IU/l,ALT 1,840 IU/lと異常が認められ,入院となった.入院時IgM-HA(cut off index)7.4であり,A型肝炎と診断された.
A型肝炎は急性一過性肝炎の形をとり,慢性化しない.このため,A型急性肝炎とは呼ばずにA型肝炎と呼称するのが一般的である.
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