Japanese
English
特集 消化器内視鏡技術の進歩と展望
顕微内視鏡観察
-――病理に迫る内視鏡診断を目指して
Endomicroscopy
樺 俊介
1
,
炭山 和毅
1
Shunsuke KAMBA
1
,
Kazuki SUMIYAMA
1
1東京慈恵会医科大学内視鏡医学講座
キーワード:
顕微内視鏡(endomicroscopy)
,
optical biopsy
,
超拡大内視鏡
,
共焦点内視鏡
,
人工知能
Keyword:
顕微内視鏡(endomicroscopy)
,
optical biopsy
,
超拡大内視鏡
,
共焦点内視鏡
,
人工知能
pp.1055-1058
発行日 2022年6月11日
Published Date 2022/6/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281111055
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
生体内組織診断を目指した顕微内視鏡(endomicroscopy)としては,現在,超拡大内視鏡と共焦点内視鏡(CLE)の2つが実用化されている.生検診断のタイムラグやサンプリングエラー,侵襲性といった課題の解決だけでなく,生体内で組織学的変化を観察することで,病態解明につながる研究成果が期待されており,すでに消化管や胆膵領域の腫瘍診断,さらには炎症性腸疾患の活動性判定や治療後の寛解維持期間の予測といった応用研究が進んでいる.また,腸管透過性を反映する蛍光漏出のライブイメージングや筋層間に存在する消化管神経叢の可視化など,既存の内視鏡技術では不可能であった新たな領域での活用もすでにはじまっている.一般臨床における本格的な実用化には課題があり,特に顕微内視鏡画像から正確な診断を行う困難さは医師の労力を増大させる可能性もある.しかし,近年著しく技術開発が進んだ人工知能技術を応用することで克服されつつあり,今後も発展が予想される.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.