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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠症の病態仮説
不眠の経過を理解する
-――Spielmanの3つのPモデル
Nature course of insomnia
――Spielman’s tripartite model
岡島 義
1
Isa OKAJIMA
1
1東京家政大学人文学部心理カウンセリング学科
キーワード:
不眠
,
3つのPモデル
,
Spielman
Keyword:
不眠
,
3つのPモデル
,
Spielman
pp.948-951
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28110948
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不眠の経過に関する概念として,Arthur J. Spielmanによって提唱された “3つのP” モデルがある.この概念化によって,①素因・潜在条件(不眠の発症に関与する脆弱要因),②増悪環境(急性不眠に寄与する要因),③維持要因(慢性不眠に寄与する要因),の3つの時期に大別することが可能となった.特に慢性不眠は,不眠が発症してから時間がかなり経過しているため,維持要因への対処および素因・潜在条件の軽減が最も重要といえる.維持要因には生理学的問題,行動的問題,注意・認知的問題があり,それぞれが交互に関連して不眠状態を維持している.本稿では,Spielmanの3つのPモデルについて紹介するとともに,慢性不眠障害への関与が指摘されている維持要因について,最新知見も含めて詳しく紹介した.
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