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第1土曜特集 不眠症──研究・診療の最新知識
不眠関連疾患
認知症と不眠
Dementia and insomnia
大森 佑貴
1,2
,
松井 仁美
1
,
神林 崇
3
Yuki OMORI
1,2
,
Hitomi MATSUI
1
,
Takashi KANBAYASHI
3
1東京都健康長寿医療センター精神科
2医療法人大坪会小石川東京病院
3筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)実験医学
キーワード:
不眠
,
認知症
,
行動・心理症状(BPSD)
,
アミロイドβタンパク(Aβ)
,
睡眠薬
Keyword:
不眠
,
認知症
,
行動・心理症状(BPSD)
,
アミロイドβタンパク(Aβ)
,
睡眠薬
pp.1001-1006
発行日 2022年6月4日
Published Date 2022/6/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu281101001
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加齢とともに睡眠は浅化・分断し,不眠の頻度も高くなる.不眠は認知症の独立した危険因子であることが示唆されており,特にアルツハイマー病(AD)との関連が強い.脳内のアミロイドβタンパク(Aβ)のクリアランスは睡眠中に高まるため,不眠や睡眠不足がADのリスクを増加させる可能性がある.不眠は認知症の行動・心理症状(BPSD)としてみられることも多いが,その診断には他の睡眠障害との鑑別が重要である.睡眠薬が直接的に認知症の原因となるかについては見解が分かれるが,特にベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)は依存,健忘,せん妄,転倒などの副作用があり,推奨されない.認知症の不眠に対しては環境調整や高照度光療法などの非薬物療法を優先し,薬物療法は必要最低限とすべきである.
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