特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
特定の疾患や状況への対応
不眠症
井上 真一郎
1
1新見公立大学健康科学部看護学科
キーワード:
不眠症
,
むずむず脚症候群
,
オレキシン受容体拮抗薬
Keyword:
不眠症
,
むずむず脚症候群
,
オレキシン受容体拮抗薬
pp.1032-1035
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620071032
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Point
◎「不眠」と「不眠症」は違う.医師は,患者からの「眠れない」という訴えのみで安易に睡眠薬を処方することなく,まずは日中の様子を十分確認し,「不眠症」かどうかについて正確に評価を行う必要がある.
◎むずむず脚症候群は高頻度にみられるものの,訴えが多様であることや下肢以外にも生じる可能性があることから,実臨床では見逃されやすい.
◎近年,睡眠薬の主役がオレキシン受容体拮抗薬になったことを受け,医師には各薬剤の特徴を理解したうえで,ケースに応じて使い分けることが求められる.
◎睡眠薬の調整において,入院中は多職種によって処方内容の見直しを行う貴重な機会になるだけでなく,薬剤調整に伴う種々の症状への早急な対応が可能といった点で,メリットはきわめて多い.
◎ベンゾジアゼピン受容体作動薬(ベンゾ)を減量・中止する際には,「不眠を認めたときこそベンゾからの脱却のチャンス」「医師が焦らない/患者にも焦らせない」「必ず睡眠衛生指導を併用する」の3つを肝に銘じておく.

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