Japanese
English
特集 腫瘍と糖鎖――糖鎖の基礎研究から腫瘍の分子標的同定に向けて
がんとシアル酸重合体
Cancer and di/polysialylation
佐藤 ちひろ
1
Chihiro SATO
1
1名古屋大学糖鎖生命コア研究所
キーワード:
ガングリオシド
,
ジシアル酸
,
ポリシアル酸
,
Siglec
Keyword:
ガングリオシド
,
ジシアル酸
,
ポリシアル酸
,
Siglec
pp.870-875
発行日 2022年5月28日
Published Date 2022/5/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28109870
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
長寿社会になった現在,がんはすべての人が罹患する可能性がある疾患であり,その理解は診断や治療に大きく影響する.正常細胞からがん細胞に変化するとき,その細胞表面の糖鎖が大きく変動することが古くから知られている.特にがん細胞におけるシアル酸の増加が知られている.このシアル酸の増加やシアル酸種の変化はがんの増殖や転移などの悪性形質を高め,さらに体内の免疫監査網から逃避する役割を担っていることが近年わかってきた.本稿では,特にシアル酸のなかでもシアル酸同士が縮重合したジシアル酸やポリシアル酸といわれるシアル酸重合体とがんとの関わりについて,最近の研究を紹介する.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.