増刊号 尿検査法
II.各論
14.糖蛋白
シアル酸
菅原 和行
1
1長崎大学医学部附属病院検査部
pp.152-153
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901101
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はじめに
シアル酸は,カルボキシル基,カルボニル基,水酸基およびアミノ基をもつ炭素数9個の化合物ノイラミン酸(アミノデオキシノンウルソン酸;aminodeoxynonulsonic acid)のアセチル誘導体の総称で,脊椎動物には,N-アセチルノイラミン酸とN-グリコリルノイラミン酸とが存在する.シアル酸は生体内では,オリゴ糖,ホモおよびヘテロ多糖体,糖脂質,糖蛋白質の構成成分として幅広く存在し,生物機能の発現に深く関与している.血漿中でのシアル酸は,諸種の急反応性物質と呼ばれる糖蛋白質や他の多くのシアロ蛋白質の,主に糖鎖未端に存在し,通常は血漿中には遊離型のシアル酸はほとんど存在しない.また,尿中へは,正常人でも極微量ながらシアル酸含有オリゴ糖として排出されている.
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