Japanese
English
特集 B型肝炎ウイルスに対する飽くなき挑戦
HBV侵入阻害効果を持つ胆汁酸誘導体
Bile acid derivatives as HBV entry inhibitors
奥村 彰規
1
,
伊藤 清顕
1
Akinori OKUMURA
1
,
Kiyoaki ITO
1
1愛知医科大学医学部肝胆膵内科
キーワード:
胆汁酸誘導体
,
侵入阻害薬
,
INT-767
,
preS1領域
Keyword:
胆汁酸誘導体
,
侵入阻害薬
,
INT-767
,
preS1領域
pp.247-251
発行日 2022年4月16日
Published Date 2022/4/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28103247
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
B型肝炎ウイルス(HBV)に対する現在の主な治療薬は核酸アナログ製剤やインターフェロンであるが,HBV感染を制御するには至っていない.このため,現在の治療薬とは別の作用機序をもつ抗HBV剤が必要とされている.なかでも侵入阻害薬は未感染肝細胞へのHBV感染を阻害する効果があり,現在の治療薬との併用療法としても期待できる.最近,筆者らは核内受容体のひとつであるファルネソイドX受容体(FXR)を介した抗HBV効果を期待して研究を行ったところ,胆汁酸誘導体の一部の化合物がHBVのエンベロープタンパク質に直接作用して,HBV受容体への結合を阻害する侵入阻害薬としての効果をもつことを発見した.このことは,胆汁酸誘導体がHBV治療薬として有効な創薬シーズであることを示している.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.