増刊号 尿検査法
II.各論
15.中毒性薬物
(2)サリチル酸誘導体
川合 眞一
1
,
柳川 明
1
1聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター
pp.156-157
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901103
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はじめに
アスピリン(acetylsalicylic acid)をはじめとするサリチル酸(salicylic acid)系の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は,NSAIDが40種類以上も発売されているわが国でもなお代表的鎮痛・解熱薬および抗炎症薬といえる.
一般に,NSAIDの投与量と血中濃度は正比例する.しかし,吸収率の違いや年齢,病態による代謝速度の変化などの個体差が大きく,臨床的に血中濃度を確認することが必要になることがある.例えばアスピリンは体内で加水分解を受けて速やかにサリチル酸となり作用すると考えられているが,そのサリチル酸の血中濃度により,図のような効果および副作用を示すことが知られている1).
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