病院職員のための医学知識・21
HB抗原
桜田 教夫
1
1道立衛生研究所・疫学部
pp.62-63
発行日 1974年9月1日
Published Date 1974/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205437
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抗原とはどういうものをいうのでしょうか.
生きている人や動物の体内に主として非経口的にはいり,抗体を作る物質を抗原といいます.抗原はそれに対応する抗体とのみ反応します.これを特異性といい,感染症の診断に欠くことのできない沈降反応,凝集反応,補体結合反応などの血清診断は,この特異性を応用したものです.
抗原になるのは主として蛋白質ですが,多糖類やポリペプチドも抗原になり,脂質や核酸も蛋白質と結合した状態で抗原になります.抗原となる条件は原則として侵入する宿主にとって異物であることと,一定以上の分子量(1×104dalton)を有することです.
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