特集 ウイルス疾患の検査法
ウイルス検査技術
HB抗原
今井 光信
1
,
高橋 和明
1
,
津田 文男
1
,
真弓 忠
1
1自治医大Au研究グループ
pp.1280-1286
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909178
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Hepatitis B virus (HBV)の間接検出法として,最近,HBVが作る抗原タンパクを免疫学的方法で検出測定することが一般的になった.今のところ,HBVの作る抗原タンパクは3種類あり,1つはHB surface抗原タンパク(Australia抗原),2つ目はHB core抗原タンパク,3つ目は"e"抗原タンパクである.このHB surface抗原タンパク(HBs抗原)とHB core抗原タンパク(HBc抗原)はHBV粒子と目されている大型球型粒子(Dane粒子)の表面と芯を構成している関係があり,そのためにsurface抗原とかcore抗原とか呼ばれている.しかし,両タンパクとも別々に作られ,特にHBs抗原はそれのみで血中に多量に小球型粒子,管状粒子として出現してくる.3つ目の"e"抗原タンパクは,現在のところHBs抗原,HBc抗原のタンパク粒子とは別々の独立した,分子量も数十万程度のタンパクで,普通,電頭では粒子として捕らえれていない.これら3つのHBVに規定された抗原タンパクの血中への出現をHBVの急性感染症である急性B型肝炎の経過を例として図1に図示する.
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