Japanese
English
特集 免疫系の概日リズム
体内時計による免疫機能と癌の制御
Cancer physiology and immunological function based on molecular clock
大戸 茂弘
1
,
松永 直哉
1
,
小柳 悟
1
Shigehiro OHDO
1
,
Naoya MATSUNAGA
1
,
Satoru KOYANAGI
1
1九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野
キーワード:
生体リズム
,
時計遺伝子
,
癌
,
免疫
Keyword:
生体リズム
,
時計遺伝子
,
癌
,
免疫
pp.169-174
発行日 2022年4月9日
Published Date 2022/4/9
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28102169
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生体は体内時計の階層構造をうまく利用し,生体のホメオスタシス機構を維持している.正常時には中枢時計である視交叉上核から末梢時計である各臓器や細胞の概日リズムが階層的に制御されている.一方,シフトワーカーなど生活スタイルの変化や時計遺伝子の変異により発癌リスクが変動する.生体リズムの破綻により,コルチゾールや免疫細胞などの概日リズムが変容し,発癌リスクの増加や癌患者の延命効果を低下させる.癌化により中枢から末梢の生体リズムの制御機構や,末梢細胞内環境における生体リズムの制御機構が変化する.治療において,投薬タイミングに加えて生体リズムの乱れが疾患リスクを高め,それを調整することにより治療効果を向上できる点が新たな治療戦略となりうる.
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