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特集 時間生物学の新展開
体内時計の分子機構を基盤にした創薬・育薬
Drug discovery and development based on molecular clock
大戸 茂弘
1
Ohdo Shigehiro
1
1九州大学大学院薬学研究院薬剤学分野
キーワード:
生体リズム
,
分子時計
,
時間治療
,
時間創薬育薬
Keyword:
生体リズム
,
分子時計
,
時間治療
,
時間創薬育薬
pp.574-578
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200556
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生体には体内時計が存在し,その本体は視神経が交差する視交叉上核(suprachiasmatic nuclei;SCN)に位置し,時計遺伝子により制御されている1,2)。例えば,がん,循環器疾患,メタボリックシンドロームなど多くの疾患のリスクに時計遺伝子が関与している。一方で,生体リズムの変容が,がん患者の延命効果に影響する。こうした状況のなかで,医薬品の添付文書などに服薬時刻が明示されるようになってきた。その背景として,生体機能や疾患症状に日周リズムが存在するため,投薬時刻により薬の効き方が大きく異なることが挙げられる(時間薬理学:chronopharmacology)1,2)。また,薬の効き方を決定する,薬の体内での動き方や薬に対する生体の感じ方も生体リズムの影響を受ける。そこで,体内時計の分子機構を基盤にした創薬・育薬の視点から,新たな創薬ストラテジーについて紹介する。
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