喘息とCOPDオーバーラップ（ACO）/喘息と気管支拡張症オーバーラップ

Asthma and COPD overlap（ACO）/asthma and bronchiectasis overlap

　慢性閉塞性肺疾患（COPD）と気管支拡張症は，喘息と症状や徴候の類似性があり鑑別診断として重要であるのみならず，併存症として比較的高頻度に喘息に合併する．喘息とCOPDのオーバーラップ（ACO）はCOPDの約25％で，気管支拡張症は喘息の2.2〜47％に合併すると報告されている．COPDや気管支拡張症の合併は喘息の難治化・重症化に関係し，症状の悪化，増悪頻度の増加，治療の失敗，医療費の増加などと関連するため，早期に診断して適切な管理を行う必要がある．ACOでは吸入ステロイド薬（ICS）と長時間作用型気管支拡張薬の併用が推奨され，呼吸機能改善と増悪抑制を目的にトリプル吸入療法の導入も考慮される．喘息と気管支拡張症のオーバーラップでは，マクロライドの長期投与が考慮される．