Japanese
English
第1土曜特集 喘息の発症メカニズムと治療・管理
診断と治療・管理
抗体医薬
-――2021-2022のアップデート
Treatment by biologics in severe asthma
長瀬 洋之
1
Hiroyuki NAGASE
1
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学
キーワード:
重症喘息
,
2型炎症
,
好酸球
,
呼気一酸化窒素濃度(FeNO)
,
生物学的製剤
Keyword:
重症喘息
,
2型炎症
,
好酸球
,
呼気一酸化窒素濃度(FeNO)
,
生物学的製剤
pp.107-114
発行日 2022年4月2日
Published Date 2022/4/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28101107
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
現在,重症喘息に対して使用可能な生物学的製剤は2型炎症を標的としており,①抗IgE抗体,②抗IL-5抗体,③抗IL-5受容体α(IL-5Rα)抗体,④抗IL-4受容体α(IL-4Rα)抗体,の4種がある.これらの薬剤は2型炎症を有する患者に限定して高い効果が得られ,長期の安全性も確立しつつある.適応や選択を考慮する際には血中好酸球数,呼気一酸化窒素濃度(FeNO),血清IgEの測定が必須である.薬剤選択はこれらのバイオマーカーと併存症,投与間隔などを総合的に勘案して決定する.最近は生物学的製剤中止後の経過,十分な効果が得られない場合の切り替え効果,使用中に増悪した場合の炎症プロファイルの差異,呼吸機能の経年低下に及ぼす影響についての知見がでてきている.現在開発が進行している生物学的製剤は,アラーミンとよばれるTSLP(thymic stromal lymphopoietin)やIL-33を標的としており,非2型喘息への効果も期待される知見が得られつつある.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.