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特集 薬物性肝障害の最新トピック
薬物性肝障害発症機序と分類の最新理解
Pathophysiological mechanisms of drug-induced liver injury
齋藤 英胤
1
Hidetsugu SAITO
1
1電源開発株式会社総合健康管理センター所長
キーワード:
中毒性肝障害
,
アレルギー特異体質性
,
代謝特異体質性
,
間接型肝障害
Keyword:
中毒性肝障害
,
アレルギー特異体質性
,
代謝特異体質性
,
間接型肝障害
pp.1281-1285
発行日 2022年3月26日
Published Date 2022/3/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280131281
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薬物性肝障害(DILI)の発症機序はいまだ不明な点が多い.ヒトを対象にDILIをin vivoで再現することは不可能であるため,発症機序の解明は動物実験やin vitroの研究から推定するしかないのが現状である.地道な薬理学的・薬力学的研究から蓄積されたデータベースも整備されつつあり,また近年のin silico研究などから中毒型の原因薬物は創薬の早期の段階から排除され,実臨床の場まで登場しなくなった.しかし特異体質によるDILIの発症はなかなか予測がつかず,報告数も変わらず多く,ヒト白血球抗原(HLA)アレルとの相関が明らかになった薬物もあるが,事前にスクリーニングして予測するほど信頼性はない.一方,胆汁うっ滞と輸送タンパクの異常や薬物相互作用の関連については明らかになってきた.近年,新薬の開発が加速しており,それに伴い新しいタイプの肝障害が報告されるようになり,発症機序の分類も少しずつ変化してきている.
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